もうすぐクリスマスがやってきます。我が家はあまり盛大では無く、チキンとケーキが食卓に加わり、小さめのクリスマスツリーを飾る程度で過ぎていきます。
私がまだ看護学生だった頃、クリスマスの学校行事がありました。それは、学校が付属していた病院の入院患者さん達に、キャンドルサービスと歌をプレゼントするというものでした。
その日まで学校で”きよしこの夜”などの歌をしっかりと練習し、キャンドルを使って歩きながら歌う練習をし、そしてナイチンゲール誓詞を暗記して当日に備えました。ナイチンゲール誓詞とは、ナイチンゲールの言葉で医療に携わる看護師としての心構えのようなものです。
当日は、病院のホールにあるナイチンゲール像の前に集合し、キャンドルを持った看護学生が「ナイチンゲール誓詞」を全員で唱和します。その後は列を作り、病棟へと歌いながらゆっくりと歩きます。病棟では、問題無い範囲で廊下やお部屋の照明を少し暗くして、キャンドルがきれいに見えるようにしてあり、看護学生は、歌いながらゆっくりと歩き、その後ろから病棟師長がプレゼントを患者さん達に渡していきます。病室の入り口に移動できる患者さんは、「きれいだね」「ありがとう」と声をかけてくれたり、感激してくれる方もいました。小児科病棟では、子ども達もとても喜んでくれて、キラキラした笑顔で迎えてくれました。
看護学生の頃は、学校でも実習中でも怒られることばかりで(今思えば大変ありがたいご指導です)落ち込む事も多いのですが、クリスマスのキャンドルサービスでは患者さんに喜んでもらえる事が嬉しくて、一生懸命練習して参加した思い出があります。
私にとって、今でも大切なクリスマスの思い出です。入院中のほんの数分出来事ですが、患者さんにとっても、クリスマスのいい思い出になっていたら嬉しいです。