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訪問看護ステーションととのえ

認知症の家族(2)

認知症がひどくなった祖母の在宅介護が始まり、ベッドからの転落・尿の管を抜く・便を触る・夜間大きな声を出すといった祖母の行動に、家族全員が疲弊しきっていた冬のある日・・・家族が次々とインフルエンザにかかり、結局全員がインフルエンザになってしまいました。これでは在宅介護を続ける訳にはいかず急遽ショートステイに行ってもらいましたが、間もなく祖母はベッドから落ちて骨折してしまい入院となりました。入院中に脳梗塞を発症し持病の心不全も悪化、食事も摂れなくなりました。祖母は徐々に弱っていき幾度となく危篤状態になり、そしてある日の朝帰らぬ人となりました。在宅介護が終わりホッとするのかと思っていましたが、押し寄せてきたのは大きな大きな後悔の波でした。なんでもっと優しくしてあげられなかったのだろう・・・なんであんな事を言ってしまったのだろう・・・なんで・・・・・なんで・・・・・・・・涙が止まらなくなりました。

 

認知症の祖母と過ごし後悔をたくさん感じたからこそ、いま家族を介護している人達が後悔しないようにと、日々の訪問看護で心がけています。 「あの時もっとこうしていれば」・・・後悔の無い介護というのは、もしかしたら難しいのかもしれません。でも少しでもいいから“介護する人も介護される人も”気持ちが軽くなるように、祖母から貰った経験を活かしていきたいと思っています。



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